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- 徹底比較!とるなら、どっち? VOL.23「介護事務管理士(R)」VS「ケア クラーク(R)」
日本だけでも1,000種類以上はあると言われている、資格・認定試験。
そして、その中には「この資格とこの資格ってどこが違うの?」と悩んでしまう、よく似た資格も、たくさんあります。
このコーナーでは、名前が似ていたり、分野がかぶっていたり、一見しただけでは、どこが違うのかわかりづらい資格を、さまざまなアプローチから、比較していきます!
第23回目は「介護事務管理士(R)」VS「ケア クラーク(R)」。
どちらも介護事務に関する資格ですが、違いはあるのでしょうか?
どんな資格なの?
「介護事務」とは、ヘルパーステーションやデイサービスセンター、高齢者施設などで、「介護報酬請求業務」を担う仕事です。介護事務に関する国家資格はなく、民間の団体が認定する資格がいくつか存在しています。代表的なものが「介護事務管理士技能認定試験」と「ケアクラーク技能認定試験」です。
介護事務管理士技能認定試験は、技能認定振興協会が認定しています。学科試験では関連法規、介護報酬計算など、介護報酬請求に対する確かな知識とスキルが問われます。実技試験では、レセプト(介護給付費明細書)点検と、レセプトを作成する技能が試されます。
一方、ケアクラーク技能認定試験は、一般財団法人 日本医療教育財団が実施しています。試験は同じく学科と実技で構成されています。学科試験では介護報酬請求事務だけでなく、介護事務職として必要なコミュニケーション力、社会福祉、医学など、幅広い知識が問われます。実技試験では、レセプト作成の問題が出題されます。
介護事務管理士 | ケアクラーク | |
---|---|---|
受験資格 | とくになし | とくになし |
試験内容 | 【学科】法規(介護保険制度、介護報酬の請求についての知識) 介護請求事務(介護給付費単位数の算定、介護給付費明細書の作成、介護用語についての知識)/筆記(択一式)/10問(1) 【実技】介護給付費明細書の点検1枚/作成3枚 ※筆記・実技あわせて2時間 |
【学科】人間関係(コミュニケーション)、老人・障害者の心理、社会福祉、老人福祉、地域福祉、社会福祉援助技術、介護概論、介護技術・障害形態別介護技術、リハビリテーション、医学一般、介護保険制度、介護事務業務(介護報酬請求事務)/筆記(択一式)/25問/50分 【実技】介護給付費明細書作成/2問/60分 |
開催地 | ソラストの指定会場、受験申請のあった専門学校、各種学校等 | 各都道府県内の公共施設等 |
費用 | 5,000円(税込) ※平成25年1月度試験より5,500円に変更 |
6,000円(税込) |
試験日 | 年6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月の第4土曜日) | 年6回(4月、6月、8月、10月、12月、2月) |
出典:技能認定振興協会/一般財団法人 日本医療教育財団
どんな人におすすめですか?
介護事務管理士にはとくに受験資格が定められていません。なので幅広い年齢の人がチャレンジできますが、受験する人は30代がもっとも多く、次いで40代、20代という順番になっています。
一方、ケアクラークも受験資格はないため、誰でも受験可能です。団体受験校として登録されている専門学校や短大、大学、スクール等に通って就職をめざしている人から、実際に現場で働いている人まで、さまざまな人が受験している特徴があります。
どうやって勉強すればいいの?
どちらの試験も資料の持ち込み&資料を参考にしての答案作成が認められています。ただし、時間内に回答しなければならないので、レセプト作成上のポイントやコツについてトレーニングをしておいた方がいいでしょう。
介護事務管理士の場合は、JSMAと業務提携しているソラストで、過去試験問題集の販売や受験対策セミナー、自宅模擬試験を実施しています。
ケアクラークも、試験で定められている基準と細目がカリキュラムに含まれていると認められている団体受験校(専門学校や短大、大学、スクール等)で学習するのが効果的なようです。
難易度は?
介護事務管理士の合格基準は、学科試験が70点以上、実技試験の問題ごとに50%以上の得点があり、なおかつレセプト作成は3問の合計で70%以上と定められています。実技試験をいかにクリアするのかが鍵になるでしょう。
一方、ケアクラークは、学科試験および実技試験の各々の得点率70%以上が合格となっており、合格率は概ね60%です。学科試験、実技試験ともにまんべんなく得点することができれば、合格が近づきます。
取得後の活躍の場は?
介護事業をおこなう施設や事業所が主な職場です。介護関連業務は、今後ともニーズが高まる分野です。この資格だけで就職・転職が保証される資格ではありませんが、介護業界で働くことを考えるのであれば、将来にわたって有利に働く資格です。実務経験を積んでスペシャリストをめざすことも可能ですが、ヘルパー、介護福祉士などの資格とあわせもつことによって、福祉業界の未来を担う人材にスキルアップの道が開けます。
2012.10.17 up!
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